図書館バス（移動図書館）ってどんなの？

というご質問をいただいたので、さっそく。
もちろん、知っている限りのことなので、「あれ、うちのところは違うよ」ってことが多々あるかもしれませんが。

まず、バス。マイクロバスを改造して両側に本棚を作ってあります。座席は運転手席、助手席のほかは、補助席がついた座席がひとつと、カウンター代わりの小さな机がついた席。この席だけ、進行方向に向いていないので（乗り降りするドアに向かって座っています）走行中は落ち着かない席ですが、貸し出し担当者は大体ここに座って、移動中にＰＣの準備や、次のステーションでの利用者の予約本の確認とかの作業をしています。

うちの場合、ステーション数は三十数か所。火曜から金曜まで一日に四か所ずつ回ります。
二週間おきに行くところと四週間おきに行くところがあり、貸し出し期間も次回巡回までなので、四週間隔のステーションの利用者に、人気の予約本が貸し出されたときは、当然回転が遅くなるわけですが、それは仕方がないことです。

ステーションの地域によって、利用者層も雰囲気も売れ筋（！）もまったく違います。
小学校だと当然子どもたちが主で、本専用の布袋やバッグを抱えて借りていた本を返すと、マンガだとか怪談レストランだとかお目当ての棚へ。
棚の並べ方は、今年の図書館実習生の感想では「書店のような感じ」ですかね。車内はやはり狭く、停車時間も限られていますから、目に付いた本をパッと選べるような感じになっていないとダメなので、担当者はいろいろ工夫しています。
今だとクリスマスっぽい飾りつけをして、それにちなんだ絵本などわかりやすいようにしたり、ブックエンド代わりにダンボールに絵を描いてはさんだり、とか。

年配の方が多い地域では時代小説が人気だったり、活字の大きい本が好まれることもあれば、持って帰るのが重いので文庫本ばかり借りられる方も。
若いお母さんの多い地域は、絵本が人気。車が大好きな男の子のお母さんは、バスにある車の本はほとんど借りてしまった、ということなので、担当者は本館から新たに車の本を何冊か「予約本」として積んでいました。
担当者が利用者の希望を聞いて、何冊か選んだ本を次回巡回時に持っていく、ということはよくあるようです。

ＢＭ所蔵の本の中から、巡回地域に合わせて棚の本を入れ替える、担当者はこれを「棚つくり」と呼んでいて毎日の作業です。

土日を含む週五日勤務、週29時間を越えて働くことのできない条件で働いている嘱託職員四人で、この作業すべてをこなしています。